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「勉強は自分のためにするもの」
子供の時に聞いた、
母のこの言葉の真実が、
今の今まで、心の中で響き渡ります。
勉強は、誰のためでもない、
自分のためになるから、やるのだと。
勉強法のなかでも書きましたが、
母親に、
「勉強しなさい」
と言われたことは、一度もありません。
そのかわり、
「勉強は、自分のためにするものなんだよ」
ということは、
何度か、いわれたことがありました。
「勉強は、親や、学校の先生のために、
やるんじゃない。
自分のためになるから、するものなんだよ」
このようにいわれた当時は、
そんなものなのかという程度にしか、
考えていませんでしたが、
年月が経過し、
人生経験を積むに従って、
この言葉の持つ本当の意味と真実を、
改めて、しみじみと噛みしめるように、
なっています。
「勉強は自分のためにするもの」
なんと響きのいい、心地よい言葉でしょう。
勉強することの意味を、
これほど簡潔に、また的確に、
言い表した言葉は、他にはないでしょう。
その頃は、勉強をするかしないかよりも、
学校に行くか行かないかの方が、
重大関心事であったため、
この母の言葉も、
それほどの真剣さを持って、
受け入れることができなかったようです。
しかし、ある程度の人生経験を積んだ、
今になってみると、
この言葉の持つ真実と重要性が、
それこそ、骨身にしみて感じられます。
勉強は、知識獲得の手段です。
人間はもともと無知な存在ですから、
勉強を通しての知識獲得なしでは、
無知からの脱却も脱出も、できません。
「知識は力なり（Knowledge is power.）」、
といいますが、
知識のある人は強いです。
何の知識も知恵もないような人は、
英語でいうと「nothing」のような存在であり、
社会において重用されることもなければ、
重(おも)きをなすこともないのです。
人間の場合、
最終的にものをいうのは、
「知」であり、
「知識」であり、
「知恵」です。
知恵や知識のある者が、
最終的には勝者となり、
人類全体を、引っ張っていくのです。
人類は、その誕生以来、
自らが獲得した知識を、
親から子へと、さらには孫へと、
代々伝えに伝えて、
今日に至っています。
現代の私たちが、
今のような文明を享受できるのも、
これはすべて、
この知識の伝達が、
何千年にもわたって、
成功してきたからに他なりません。
考えてみれば、
数千年にもわたる人類の英知の蓄積を、
勉強によって、
わずかな時間で獲得できるのですから、
これは単純に、
やらなければ損ということに、なります。
自分のためになるから、やる。
人生を生きていくうえで、
役に立つからやる。
他の人ではなく、自分の役に立つから、
また、そのことが、
結果的には、他人の役にも立つから、
自分のために勉強する。
これが勉強することの意味であり、
真実でもあるのです。
「勉強は自分のためにするもの」
子供の頃に母から聞いたこの言葉は、
今も自分のなかで、生き続けています。
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