ういういしかった伊勢物語初冠との出会い

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ういういしかった伊勢物語初冠との出会い


「伊勢物語」の初段「初冠」は、
正にういういしいと呼ぶにふさわしい、
古典との最初の出会いでした。

その後の古典人生を決定づけた、
この歌物語の魅力について語ります。

昔、男、初冠して、平城の京、春日の里に、しるよしして、狩りにいにけり。

これは、高校の古典の教科書に出ていた、
伊勢物語」第一段の冒頭部分です。

中学の国語教科書に、
「今昔物語」の一節が載せられていたことがありましたが、
日本の古典との本格的な出会いは、
この「初冠(ういこうぶり)」が最初のものでした。

この段の書き出しは、
長い時間を経過した今となってもまだ覚えていますし、
この段に出てくる二首の和歌もよく覚えています。





大げさだといわれるかもしれませんが、
この時のこの文章との出会いは、
新鮮かつ感動的なものでありました。
ういういしいという日本語がぴったりという感じだったのです。

「初冠」が初々しい。
けっしてしゃれで言っているわけではないのです。
その時は本当にそのように感じたのでした。

まず初めに、
「初冠」の「初」の文字が、
「しょ」ではなくて、「うい」と読むのか。

これなども、
日本語や古典の知識がある程度身についた現在では、きわめて常識的なこととして理解していますが、
高校一年の古典初学者にとっては、
文字通り目新しいものでした。

「初(うい)」は「うぶ」とも読みますが、
「生まれたての」が元の意味のようです。

「初冠」は、「初めて冠をつける」こと、
つまり貴族の男子の元服のことを意味するものでした。





現代の日本語とは大きな違いを持つのが、
次に出てくる「しる」という単語でした。

この「しる」は「領る(しる)」であり、
「治める、領有(所有)する」の意味なのです。

「よし」は「ゆかり、縁」を意味し、
「狩り」とは、この当時は「鷹狩り」のことを指していました。

これだけでも自分が知らない新しい知識の
獲得でしたが、
その他にも、伝聞の助動詞「けり」の使い方も学習することができました。

現在でも使われる「けりをつける」という表現は、
この「けり」から来ているものであることも知ったのです。

最初の一文だけでもこの有様ですから、
第一段の全体としては、
かなりの量の知識獲得になったのが、
この「伊勢物語の初冠」だったわけです。

物事には第一印象というのがあります。
最初に持つ感情が、
あとあとまで影響を与えることもあるのです。

「初冠」が与えた印象や好感情は、
その後の古典古文学習にも大きな影響を持ちました。

古典好きになった一つの、
そして大きな要因が、
この「伊勢物語」とのういういしい出会いであったのです。


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