試行錯誤

ニキビ男の肌チェック
ニキビと湿疹に悩んだ男のスキンケアと肌チェック

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試行錯誤

顔面のニキビが増え、膿も持つようになったので医者にかかることを考えた。
たかがニキビなので、お医者さんに診てもらえば治ると思っていた。

最初に診察してもらったのが、高校の頃から診てもらっていた先生だった。

先生は「膿もってるね」といって抗生物質の注射をし、ビタミン剤の薬をくれた。


抗生物質でも注射なので効くのは速かった。
膿もとまり、ニキビによる腫れもおさまるかに見えたが、一週間程するとまた膿を持つようになった。

「普通一発で止まっちゃうんだけどな」
先生はこう言いながらまた抗生物質の注射を打ってくれた。

同じような治療の繰り返しを一年程度続けたように思う。

たしかに、抗生物質の治療を続けている間は、膿を持つこともなく、ニキビの腫れや赤みもおさまる傾向にあった。しかし、抗生物質をやめて一週間程すると、また元のもくあみで膿を持ちやすくなることに変わりはなかった。





やはり専門の皮膚科のお医者さんのほうがいいかなと思って、皮膚科の開業医の先生に診てもらった。治療は最初の先生とほとんど同じであった。
抗生物質の薬を飲んでいる間だけの心の安寧が続いた。

このようなことの繰り返しで、十年以上は経過したと思う。
この間に、顔面のニキビが完治することも、頭部の脂漏性湿疹が消えてなくなることもなかった。

この頭部の脂漏性湿疹でも苦労したね。
あんまり脂が出すぎると、自分の出した脂で湿疹が出ちゃうんだよね。
髪の毛が生えているから治療が厄介なんだよね。雑菌も増えやすいし。
本当に涙が出るほど苦労したよ。


これじゃだめだ、やはり大学病院に行かないとだめだと思って、
最初に行ったのがJ病院だった。

この病院での3人目の先生はいい先生で、いろいろと治療法なども変えてみてくださったが、
基本的には一般の開業医の先生と同じような治療であった。


この病院の皮膚科には、かなり重症の患者がいたね。

ある時、いい先生の診察室の前で待っているとき、中の会話が聞こえてきた。

「理解のある人に巡り会えればいいんですけど、なかなか結婚も難しいと思いますから」

あれ、これ何の話してるんだ。治療の話じゃないなと思った。

「30歳ぐらいの女性で、手に職をつけて生活してらっしゃる方がいますので、
何かの参考になるかもしれませんので、電話して見てください」

治療とはかけ離れた話をしている患者なんて、一体どういう人なんだろうと思って見ていると、
診察室から出てきたのは、母親と10歳ぐらいの少女であった。





一目見ただけで、先生はこの女の子の将来のことを心配して話していたんだなということが解った。
女の子の頭に頭髪はほとんどなく、顔と頭部の皮膚は赤くただれたようになっていた。
おそらく先天性の難病で、治療法もないものなんだろうと思った。

また別の時に、同じ先生の診察室に赤ん坊を抱えた若い女性が目の前を通って入っていくのを見たことがある。赤ん坊の顔は前に見た10歳ぐらいの女の子と同じように、真っ赤で、たむしにかかっているように見えた。

この二人の患者を見て、しみじみ思った。
ニキビや湿疹なんてまだまだ甘っちょろい病気だと。
自分自身の努力次第では治る可能性があるから

J病院の先生には大変お世話になったが、完治するまでにはいたらなかったので、
これはもう東大か慶応しかないということで、交通の便のいい慶応病院に決めた。

慶応病院の皮膚科では、初診のときは西川先生という皮膚科の部長先生に診ていただくことができた。テレビでも拝見したことのある有名な先生だ。

「J病院にかかってたの。どんな治療をしてました。」

簡単な治療実績を訊いた後で、
西川先生は虫眼鏡を手にして私の髪の毛を掻き分けて頭部の様子を診察してくださった。

西川先生に、これまでの経過や、二十年近くに及ぶ本人による治療のための自己努力について話を聞いていただいたが、先生の最後におっしゃった言葉が忘れられない。

洗っても洗っても、それ以上に出ちゃうんだろうね

これを聞いたときに、「ああ、この先生はわかっているんだな」と思った。
超脂性のために、いくら洗っても次から次へと脂が出てくるということを。

慶応病院の先生はみないい先生だったね。看板に偽りなしの病院だったよ。

治療は基本的に同じで抗生物質ビタミン剤の併用だった。
慶応病院にも4年近くはお世話になったと思うけど、おかげさまで薬なしでも生活できるようになっている。

この頃だったかな、ニキビについて一番大事なことを知ったのは。
このことを初めにはっきりと認識していれば、
20年以上もニキビで悩む必要はなかったと思うと悔しいけどね

ここまで読んでくれた人はもうわかったと思うけど、
ニキビや湿疹に関しては開業医も大学病院の皮膚科も治療法はほとんど同じだ
これは実際に病院を数知れず渡り歩いた人間が言うのだから間違いない。

だから信頼できる先生ならわざわざ遠くの病院にまで行く必要はないと思う。
近くの皮膚科でも十分だと思う。

大事なのは食生活を中心とした自己努力の方だ
これが伴わないとニキビ退治はできない。


 


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